実家が空き家に…親が認知症になった後の家の扱いとは?

~“もしものとき”に知っておきたい不動産の話~

高齢の親が施設に入ることになった、あるいは入院して自宅に戻れない――
そうしたとき、空き家となる「親名義の実家」の扱いに困る方が増えています。

「今はもう住まないのだから、売却したい」
と思っても、所有者である親が認知症の場合、自由に売ることはできません。

今回は、不動産のプロが知っておいてほしい
認知症と不動産売却の関係、そしてどうすれば解決できるのかをご説明します。


✅ 認知症になると“売却できない理由”

不動産を売るには、所有者本人が
**契約の内容を理解し、意思決定できる状態(=意思能力)**である必要があります。

認知症の診断を受け、意思能力がないと判断された場合、
たとえ子どもであっても「親の代わりに勝手に売ること」はできません。


✅ では、どうすれば売却できるの?

▶ 方法①:家庭裁判所で「成年後見人」を選任する

成年後見制度を利用すれば、代わりに財産管理や売却手続きを行える**「後見人」**を家庭裁判所が選任してくれます。
子どもが後見人になれる場合もあります。

ただし、

  • 家庭裁判所への申立てが必要(数ヶ月の手続き)

  • 裁判所の許可がないと売却はできない

  • 売却金の使い道にも制限がある(本人の利益になる範囲)

といった点に注意が必要です。

▶ 方法②:認知症になる前に「家族信託」などの対策をしておく

将来的に認知症の可能性がある場合は、元気なうちに「家族信託契約」を結んでおくことで、
万が一のときでも家の売却や資産管理がスムーズにできるケースもあります。
(※こちらは事前準備が必要です)


✅ よくあるご相談例

  • 「親がもう施設に入っているが、空き家のまま放置している」

  • 「兄弟間で話がまとまらず、売却できない」

  • 「相続するつもりだったが、今のうちに売った方が良いのか悩んでいる」

このようなご相談を、当社でも多くいただいています。


✅ お早めのご相談が解決の第一歩です

不動産は「動かすにも時間がかかる資産」です。
特に、認知症や相続の問題が関わると、“売りたくても売れない状況”に陥る前の対策がとても大切です。

当社では、ご家族の状況に合った最善の方法をご提案しております。