土地売却の流れを解説!税金や費用はどのくらいかかる?

「相続した土地を売却したい」「親が住んでいた実家の土地、建物を売却したい」などの場合、何から始めればよいか、どこに相談・依頼すべきか、などわからないことも多いのではないでしょうか。 この記事では、土地を売却する流れから売却にかかる費用、高く売るためのコツまで徹底解説します。 何を準備し、どういった点に注意しながら売却を進めていけばよいかなど、これから土地売却を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

土地売却の基礎知識

はじめに、土地売却の流れを解説します。基礎知識として4つの売却方法と、不動産会社に依頼する3つの契約の違いも解説します。

土地売却の流れ

ステップ かかる期間
不動産会社に相談・査定依頼をする 約1カ月
不動産会社を選定し媒介契約を結ぶ
販売活動を開始する 約1~3カ月
買主と売買契約を結ぶ
決済・土地の引渡しをする 約1カ月
確定申告をする 売却の翌年

ステップ1 不動産会社に相談・査定依頼をする

まずは不動産会社に相談し、売却価格の査定を依頼します。1社ではなく複数の会社に依頼するほうがよいでしょう。
土地は周辺環境や前面道路の影響を受けやすく、不動産会社によって査定価格に違いがでることは珍しくありません。できるだけ適正な相場(市場価格)を把握するためにも、複数の会社に査定を依頼するのがおすすめです。

ステップ2 不動産会社を選定し媒介契約を結ぶ

いくつかの不動産会社の査定価格、算出の根拠、販売方法、担当者などを比較検討しながら、依頼する不動産会社を決めます。
そして、売却を依頼するための媒介契約を不動産会社と締結します。
媒介契約には3つの種類があり、契約によって依頼できる不動産会社の数などが変わります。
媒介契約には「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、自分に合った契約を選ぶ必要があります。媒介契約の詳細は後ほど詳しく説明します。

ステップ3 販売活動を開始する

不動産会社との媒介契約ができれば販売活動の開始です。
レインズやアットホームなどの不動産ポータルサイト、各社ホームページへ物件情報の登録、ポスティングなど、不動産会社によって利用するサイトや販売方法は異なります。

レインズとは、流通する物件情報や成約情報を不動産会社が共有するシステムです。

ステップ4 買主と売買契約を結ぶ

販売活動を開始し購入希望者が現れれば、買主の正式な購入の意思表示として、不動産購入申込書を受領します。
価格交渉もこの書面でおこなわれ、合意すれば売買契約を締結します。
売買契約は、契約当事者と売主側、買主側の不動産会社が売主側会社の店舗で一同に会しおこなわれるのが通例です。
売買契約の前に、宅地建物取引士の有資格者による重要事項説明がおこなわれ、売買契約締結、買主から手付金を受領します。

ステップ5 決済・土地の引渡しをする

売買契約締結後、買主の住宅ローンなど必要な手続きが終われば、決済、引渡しをむかえます。
決済では、買主が住宅ローンを利用している場合、融資が実行され、売主への売買代金の支払いがおこなわれます。
売買代金の受領、口座への着金が確認できれば、引渡しです。司法書士が所有権移転登記の手続きに法務局へむかいます。

ステップ6 確定申告をする

土地の売却によって譲渡所得、つまり利益が出た場合、確定申告が必要です。
確定申告は、売却の翌年2月16日~3月15日におこないます。

土地売却の方法

土地の売却方法は、4つの方法があります。それぞれの特徴とメリット、デメリットを比較しながら最善の方法を選んでください。

不動産会社へ売却

個人ではなく不動産会社や買い取り会社に直接売却する場合です。仲介に対して、いわゆる「買い取り」といわれています。

メリットは、土地を急いで現金化したい場合、買主がローンを利用することもなく、短い期間で販売を済ませられる点です。また、なかなか売れにくい物件や一般の方が手を出しにくい物件でも、プロの目利きで買い取ってくれる点が挙げられます。さらに、不動産会社が直接購入するため、仲介手数料もかかりません。

一方デメリットは、売却価格が比較的安くなる点です。
買い取り会社は、一戸建ての分譲をはじめ土地を有効活用して、利益を上げることを目的としています。それゆえ買い取り価格は、利益を確保するために、一般の仲介と比べ安くなります。

不動産会社による仲介

不動産会社が売主と買主の売買を仲介する場合です。
仲介は、一般の方から土地を探すハウスメーカー会社まで広く探すため、売却価格が高くなる可能性がある点がメリットです。

一方、不動産会社選びが、売却の成功に大きく影響することがデメリットです。物件によっては、販売期間が長期化したうえ、最終的には価格を下げる、もしくは買い取り会社に売却することもあるでしょう。また、不動産会社への仲介手数料が必ずかかります。

任意売却

不動産を売却するには、ローンを完済しその不動産に設定されている抵当権を抹消する必要があります。しかし、任意売却を利用すれば、住宅ローン返済が困難になった場合、売却した収入で住宅ローンを完済できなくても金融機関の同意のもと売却することができます。

任意売却のメリットは、住宅ローンを完済できなくても、不動産会社の仲介と同じ手続きで売却し、競売と比べ高く売却できる点です。
ただし、売却後に残った住宅ローンは、金融機関と相談しながら返済しなければなりません。

買取保証付き仲介

買取保証付き仲介は、その名のとおり、仲介と買い取りを合わせた売却方法です。
あらかじめ決めた一定期の期間、仲介で売却活動をおこない、期間内に売却できなかった場合、不動産会社が買い取ります。

買取保証付き仲介の一番のメリットは、一定期間は仲介で売却活動をおこないつつ、売れなかった場合でも、希望する期間内には確実に売却、現金化できることです。
デメリットは、利用できる不動産会社が限られる点です。売り出し価格や買い取り保証額、販売期間などの条件で不動産会社と合意する必要があり、一般の仲介以上に信頼できる不動産会社を選ばないと失敗する可能性があります。

不動産会社と結ぶ媒介契約の種類

売却時に不動産会社と結ぶ媒介契約には3つの種類があります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

3つの媒介契約には、依頼できる不動産会社の数やレインズへの登録義務、売却活動の報告などの点で違いがあります。
一般媒介契約は、複数の会社に売却を依頼できる一方、レインズの登録義務や販売活動の報告義務がない契約です。
各社のさまざまな媒体で売却活動を進められるのがメリットです。しかし、活動状況がわかりにくい一面があります。また、複数の会社に依頼するため、販売に積極的でない会社が現れる可能性もあるでしょう。

専任媒介契約と専属専任媒介契約では、ともに1社専任で売却活動をおこないます。
売主が自ら見つけてきた買主と契約できるか否か、レインズ登録期限や販売活動報告の頻度の違いはありますが、その他大きな違いはありません。

この2つの媒介契約のメリットは、1社専任のため販売活動に力を入れてもらいやすいことです。活動状況を把握しやすい点も挙げられます。
一方デメリットは、1社の販売方法に依存することになるため、依頼する不動産会社によっては、希望する金額、販売期間で売却できない可能性がある点です。

媒介契約の種類 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数社との契約 不可 不可
買主を自分で見つけること 不可
売却活動の報告頻度 報告の義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
指定流通機構(レインズ)への登録 義務なし 7日以内に登録 5日以内に登録
契約期間 法律上の定めなし 3カ月 3カ月

3つの媒介契約にはそれぞれメリット、デメリットがあるため、状況にあわせ最適な契約方法を選ぶとよいでしょう。

土地売却にかかる費用・税金

土地を売却したあと、手元に残る資金を把握するためにも、売却の際にどういった費用、税金がかかるのを知っておくことは大切です。

土地売却にかかる費用

土地を売却する際には、主に以下の費用がかかります。

名称 金額 内容
不動産会社への仲介手数料 売買金額×3%+6万円+税(上限)
※売買金額400万円超えの場合
不動産の売買が成立した報酬として不動産会社に支払うもの
抵当権抹消費用 1,000円(不動産1件につき) 不動産に設定されている抵当権を抹消する際にかかる税金
司法書士の報酬 1~2万円 抵当権抹消登記を司法書士に依頼
する時の費用
測量費用 10~90万円
※土地面積や測量方法によります
土地の面積や隣地との境界を明確にする場合にかかる費用
解体費用 100~150万円
※木造30坪の目安。構造や作業環境により変わります
土地上の建物を解体して売却する場合にかかる費用
整地費用 300~600円/平方メートル
※平地で特別な作業がない場合の目安
土地上の不要なものを除去し、土地を締め固め平らにする費用
地盤調査費用 5~30万円
※調査方法によります
建物を建てる土地として必要な強度があるかを調査する費用
土壌汚染調査費用 10~60万円(100平方メートルあたり目安)※調査のレベルによります 土地の土壌汚染物質の有無、基準値を超えていないか調査する費用
ローン返済手数料 1~3万円程度
※金融機関によります
住宅ローンを繰上げ完済する時に金融機関にかかる費用

測量や解体、整地費用など状況によってかかる費用は異なります。必ずしも売主が負担するものではなく、買主と費用分担したり、売買代金で調整したりすることもあります。

土地売却にかかる税金

土地を売却すると、以下の税金がかかります。

名称 金額 内容
印紙税 (売買金額に応じて)非課税から
480,000円まで(軽減税率)
売買契約書など課税文書にかかる税金
登録免許税 1,000円(不動産1件につき) 抵当権抹消登記にかかる税金
消費税 10% 仲介手数料や司法書士報酬にかかる
消費税
譲渡所得税 譲渡所得×税率
※所有期間によって税率は異なります
不動産売却で利益が出た場合にかかる税金

例)2,000万円の土地を売却した場合
【印紙税】1万円※軽減税率適用時
【登録免許税】1,000円※土地のみ
【消費税】66,000円※仲介手数料(2,000万円×3%+6万円)の10%
【譲渡所得税】課税譲渡所得を200万円、 200万円×14.21%(税率)=284,200円
※所有期間10年超えの長期譲渡所得の場合。その他復興特別所得税の課税があります。

土地売却の際の控除や特例について

土地を売却した際に利用できる控除や特例には、以下のものがあります。

名称 内容
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例 居住用の不動産を売却した時の譲渡所得から最大3,000万円の控除ができる特例
マイホームを売った時の軽減税率の特例 居住用の不動産を売却し、長期譲渡所得(所有期間10年超え)の税率を通常の税率より軽減する特例
被相続人の居住用財産(空き家)に係る
譲渡所得の特別控除の特例
親などが住んでいた空き家を相続し、売却した場合の譲渡所得から最大3,000万円の控除ができる特例
特定の居住用財産の買換えの特例 居住用の不動産を売却し、代わりのマイホームを買い換えた時に、売却の譲渡益にかかる税金を将来に繰り延べできる特例
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 相続または遺贈により取得した不動産を売却した場合に、相続税額の一定金額を売却資産の取得費に加算できる特例
マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例 マイホームを買い換え、売却したマイホームで発生した譲渡損失を、その年の給与所得や事業所得などの他の所得から控除できる特例
控除しきれない譲渡損失がある場合、翌年以後3年以内に繰り越して控除できる
特定のマイホームの譲渡損失の損益通算
および繰越控除の特例
マイホームを、住宅ローン残高を下回る価額で売却して譲渡損失が発生した場合に、その年の給与所得や事業所得などの他の所得から控除できる特例
控除しきれない譲渡損失がある場合、翌年以後3年以内に繰り越して控除できる

土地を売却し、利益もしくは損失が出た場合に使える特例をまとめました。
これらのなかで、併用できるものとできないものがあります。活用するための要件をしっかり確認したうえで、節税効果が最大になるようにしましょう。
また、これらの特例を使って不動産譲渡税の負担を軽減できる場合でも、確定申告は必要です。

土地売却に必要な事前準備

では、実際に土地を販売する前には、どういったことを準備すればよいのでしょうか。

土地の名義を確認する

まずは、土地の名義が誰になっているか確認しましょう。
相続の場合は、相続人の名義のままでは売却できません。共有名義の場合、土地全体を売却するには、共有者全員の同意が必要となります。

測量し、土地の境界線を確定する

土地によっては隣地との境界線があいまい、境界標が設置されていないこともあります。土地売買では境界の明示は、通常売主の責任でおこないます。
境界が明示されていない場合でも、公簿上の面積で取引する(公簿取引)こともありますが、隣地住人の立ち合いのもと測量し、土地面積、境界標を確定することでトラブルも少なく、売却もしやすくなるでしょう。

土地の査定をしてもらう

土地の面積や境界などが明確になれば、不動産会社に査定を依頼します。
土地の査定結果が不動産会社によって違うことも少なくありません。複数の不動産会社の査定結果や価格の根拠を比べるのがよいでしょう。

売却に必要な書類を揃える

土地を売却する際には、多くの書類を揃える必要があります。以下のリストを活用し、漏れがないように準備しておきましょう。

・不動産会社へ売却依頼をする際に必要な書類

  名称 入手先
登記簿謄本または登記事項証明書 法務局
権利証
(または登記識別情報通知書)
売主
物件購入時の売買契約書 売主
物件購入時の重要事項説明書 売主
固定資産税評価証明書
(または固定資産税納税通知書)
市役所
(東京都は)都税事務所
境界確認書 売主
公図・地積測量図 法務局
建築設計図書・工事記録書 売主

境界確認書は、隣地所有者との間で境界線の合意していることを証明する文書です。境界確認書が手元にない場合や、昔に分筆されている土地だと地積測量図がないこともあります。できるだけ売却をスムーズに進めるためにも、準備できる書類はしっかりと準備しましょう。

・土地の引渡し時に必要な書類

  名称 入手先
本人確認書類 売主
住民票(登記上の住所から移転している場合) 市役所
実印 売主
印鑑証明書(3カ月以内のもの) 市役所
権利証
(または登記識別情報通知書)
売主
買主に引き継ぐ資料等 売主
銀行口座の通帳(振込先情報) 売主
ローン残高証明書(またはローン返済予定表) 売主
借入先金融機関

それぞれ必要な書類は、不動産会社に確認しながら余裕をもって準備しましょう。

土地をより高く売るためのコツ

土地をより高く売却するためのコツをお伝えします。

相場を把握しておく

近隣ではどれくらいの価格で取引されているか、土地がどれくらい流通しているかを知るうえでも相場を把握することは大切です。
土地の相場を知るには、いくつか方法があります。国土交通省や国税庁が発表する公示地価や、相続税路線価を参考にする方法などです。実際の市場価格とは差が出ることもあることも理解しておきましょう。
また、国土交通省の「土地総合情報システム」では、過去の実際の土地取引情報を閲覧できます。相場の目安として参考にしてください。

近隣に声をかけてみる

近隣に土地売却の情報を提供することで高値売却に繋がることがあります。
たとえば、隣地の土地所有者による土地買い増しで、土地の広さだけでなく間口や道路付けなどがよくなり、増えた面積以上の価値が上がるケースです。
また、近隣の方が子ども世帯の土地を探しているケースもあります。
ただし、不動産会社ではなく自分で声かけをする場合は、自己発見取引ができない媒介契約もあるため、契約内容にも注意を払わなければなりません。

査定は複数社に依頼する

不動産はもともと個別性が強く評価がわかれやすいものです。土地は、道路付けや周辺環境の影響が大きく、不動産会社によって査定価格が分かれるケースは少なくありません。適正な相場を知り、売り出し価格を決めるうえでも、査定は複数社に依頼したほうがよいでしょう。

以下の不動産一括査定依頼サービスも利用してみてくださいね。

土地周辺の取引に精通する不動産会社を選ぶ

高値で土地を売却するためには、土地の取引に精通している不動産会社を選ぶことが大切です。
土地情報は一般の個人だけでなく、ハウスメーカーや分譲会社も求めており、場所によっては競合することもあります。また、売却するエリアにマンションが多い場合は、一戸建て用地の希少価値が高いことも。
地域の情報を踏まえた的確な判断が、土地の売却には欠かせません。適切な売り出し価格、販売方法を提案してもらうには、土地周辺の取引に精通している会社を選ぶことが肝要です。

土地を整地、越境物などの覚書を取得

土地上の石や雑草、樹木などを除去して整地することで、高値売却につながる場合があります。
整地により、内覧時の印象がよくなります。建物を建てる際のイメージもでき、買主の購入判断がしやすくなるでしょう。
また、隣地から塀や雨樋、草木などの越境物がある場合、隣地所有者と是正方法や時期の覚書を取得しておくと買主は安心して取引ができます。
不動産会社と相談しながら、整地費用以上に高値で売却できるか検討してみるのもよいでしょう。

土地売却時のトラブルを防ぐポイント

土地を売却する際のトラブルを防ぐポイントをお伝えします。

土地の地下埋設物などの瑕疵がないか調べておく

土地を引渡したあとに、地下埋設物がみつかってトラブルになることがあります。たとえば、下水道が引かれる前の浄化槽の埋め戻しが発見されるケースです。
不動産売買契約では、目的不動産の種類、品質、数量が契約内容と適合しない場合、売主は契約不適合責任を負う可能性があります。
基本的には土地の状態を調査、把握したうえで引渡します。しかし、調査や把握が難しい、もしくは実施しない場合、契約上の取引条件をしっかりと定めておきましょう。

土地の境界について明確にする

一般的に土地取引では、境界標があれば明示し、ない場合は売主の責任のもと境界標を設置する必要があります。
境界標がなく設置するのが難しい場合、契約条件として境界標の設置はおこなわない、もしくは境界確認をおこなわないことを明確にしておかなければ、トラブルにつながる可能性があります。

土地の境界線を越えているものは処分する

売買対象の土地から隣地へ越境物がある場合は、引渡しまでに処分、伐採などで隣地への越境を解消しましょう。
また、すぐに解消できない建物の一部が越境している場合は、売買契約時に隣地との越境に関する覚書を添付し説明をおこなう、もしくは引渡しまでに取得することでトラブルを防止するようにしましょう。

「公簿売買」または「実測売買」の取引条件を明確にする

公簿売買とは、登記簿上の面積をもとに売買代金を決めることです。一方実測売買は、実際に面積を測量したうえで売買代金を決める取引です。
確定測量図がある場合は別として、のちのちトラブルにならないためには、契約する条件を明確にしておきましょう。
たとえば、公簿売買で取引し、実測面積と違いがあっても精算しない、また、実測売買で引渡しまでに測量を完了させ、測量面積をもとに精算することで、契約上の取引条件をはっきりと示します。

【状況別】土地を売却する際の注意点

土地の売買にもいろいろな状況があります。ここでは、状況別に注意点をまとめました。

家が建っている土地を売却する場合

資産的にはほとんど価値のない古家付きの土地を売買する場合、古家付きのまま売却するほうがよいか、解体して更地で売却すべきなのか、それぞれのメリット、デメリットを説明します。

古家付き土地売却のメリット・デメリット

古家付き土地売却のメリットは、解体費用がかからないことです。売買価格が高くない、物件的に売れにくい場合などは、解体費用をかけるリスクは高くなります。
物件によっては、古家をリノベーションしたいニーズが見込める点もメリットです。

古家付き土地売却のデメリットは、土地全体のイメージがつかみにくいことです。
また、買主が建物を解体する前提で購入する場合、解体費用を準備しなければなりません。解体にともなうアスベストの飛散リスクがあれば、購入を検討する人が減る可能性もあります。

更地での売却のメリット・デメリット

更地で売却するメリットは、見学した際に土地全体のイメージがしやすい点です。土地を高く売る、早く売るために見学時の印象は大切です。更地は見学や調査がしやすいでしょう。

一方、更地で売却するデメリットは、解体工事費がかかることです。構造や大きさ、作業環境に左右されますが、木造30坪程度の家でも100万円程度はかかります。
また、解体後に長期間売却できない場合、固定資産税の負担が大きくなることも考えらます。

古家付き土地の売却と更地での売却に関する詳細は以下の記事でも詳しく解説しています。参考にしてみてくださいね。

遠方の土地を売却する場合

遠方の土地を売却する場合、特に信頼できる不動産会社選びが大切です。
遠方の土地といっても、田舎の土地を相続したり、都心部の土地を売却したり状況はさまざまでしょう。
状況に合わせ、大手から地域密着の不動産会社まで、販売状況をしっかりと報告してくれる会社を選ぶと安心です。

相続した土地を売却する場合

相続した土地を売却する場合は、まず権利関係を明確にしましょう。
不動産は価格が大きく評価が難しい資産です。相続人が複数いると、相続人の間で意見の相違から揉める可能性があります。
土地は、状況によっては分割して売却できますし、土地全体を売却して換金することも可能。
しっかりと相続人全員で話し合いをすることが大切です。

共有名義の土地を売却する場合

共有名義の土地を売却する場合、3つの選択肢があります。

  • ① 土地全体を共有者全員の同意のもと売却する
  • ② 持分だけを売却する
  • ③ 自己の持ち分の土地を分筆し売却する

このうち②持ち分だけの売却は、第三者への売却が難しくなります。他の共有者、買い取り会社への売却が現実的な選択肢となるでしょう。ただし、買い取り会社へ売却する場合は、相場より低くなる点に気をつけてください。
③の土地を分筆する方法も、分割の仕方によって土地の価値が大きく変わる可能性があります。道路付けや間口の広さ、形状など全体として価値があったものが、分割後大きく価値が下がる場合がある点に注意が必要です。

農地を売却する場合

登記上の地目が農地となっている土地を売却するには、農地のまま売却する方法と地目変更して売却する方法があります。
農地のまま土地を売却すると、農家や農業生産法人など買い手が限られます。
一方、農地から転用するには、農地法に基づく農地転用許可を取得する必要があり、必ずしも転用できるとは限りません。
農地の売却は通常の土地売却と手続き的にも異なるため、農地の売却実績がある不動産会社に依頼することが必要です。

山林を売却する場合

山林の売却は、まず山林の状況を把握することが大切です。事業で活用していた山林を売却する場合は把握しているかもしれません。しかし、相続では売買する山林のことが何もわからない場合も多いでしょう。
また、山林の売却は、一般の土地取引と異なり公簿売買でおこなうことが通常です。契約書で、土地の面積など、取引条件の詳細をしっかり確認しておきましょう。樹木の種類や手入れの状況で売却価格の評価がわかれるため、不動産会社選びも重要です。

賃貸中の土地を売却する場合

土地を賃貸している場合があります。

たとえば

  • 土地上の借地人が所有する建物に住んでいる
  • 土地と建物いずれも賃貸している
  • 建物ではなく駐車場として賃貸している

などのケースです。
状況によって借地借家法の適用の有無や敷金などの取り扱いが異なります。

まずは、土地あるいは土地建物を賃貸している借地人に買い取りを提案する方法を採ります。毎月の地代と固定資産税の額によっては、賃貸したまま売却するのは難しくなるでしょう。

土地売却に関する相談先

土地の売却にあたっての主な相談先を以下にまとめました。

相談内容 相談先
土地売却全般 不動産会社
正確な土地の資産価値について 不動産鑑定士
隣地との境界があいまいな場合の測量について 土地家屋調査士
移転登記などの手続きや不動産の権利関係について 司法書士
税金や確定申告について 税理士
不動産の売買契約をめぐるトラブルについて 弁護士

不動産取引では専門的なことも多いため、必要に応じて専門家に相談することが必要です。不動産会社が窓口となってワンストップで相談できる会社もあります。

優良な不動産会社の探し方

不動産会社は、大手不動産会社から地元密着の会社までさまざまです。
特に、土地はマンションと比べても周辺環境からの影響、前面道路との関係などが一つひとつ異なり、不動産会社でも査定結果がわかれやすい不動産です。
したがって、査定を依頼する際は、まずは複数の不動産会社に依頼するのがおすすめ。査定金額や販売方法を比較することで、信頼できる優良な不動産会社を探してください。そして、依頼したい不動産会社の販売実績や特徴を調べ、売却経験者の口コミや評価もチェックしましょう。

また、担当者との相性も大切です。担当者とは、土地の引渡しが完了するまでの長期間にわたり販売状況の報告を受けたり相談したりすることになります。複数の不動産会社の担当者の対応など比較して、相性のよい信頼できる担当者を探しましょう。

土地の売却でよくある質問

土地の売却にかかる費用はどのくらい?

土地の売却にかかる主な費用は、仲介手数用、印紙税、登記費用があります。
仮に2,000万円の土地を売却した時、合計約70万~75万円程度の費用がかかります(仲介手数料上限の場合)。
また、測量ならびに整地費用がかかる場合、費用は約20万~60万円です。(100平方メートルの土地想定)。
さらに、土壌汚染調査が必要となる土地は、調査内容に応じて30万~150万円程度かかります(100平方メートルの土地想定)。

土地の売却にかかる税金はどのくらい?

土地を売却した時にかかる税金は、印紙税、登録免許税、消費税があります。
仮に2,000万円の土地を売却した場合、課税されるのは約8万~10万円です。
また、譲渡益が発生する場合は、譲渡所得、所有期間によって譲渡所得税がかかります
(特例は考慮しない前提)。

住宅ローンが残っていても土地の売却はできる?

住宅ローンが残っていても土地の売却はできます。
ただし、住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。売却収入で住宅ローンを完済するか、不足する場合はその資金が準備できるかなど確認をしましょう。

土地の売却時には必ず測量しないといけない?

測量は必ずしも必要ではありません。
境界標が設置されている、もしくはされていない箇所がある場合でも、地積測量図と差異がなく、塀やフェンスで境界が判断できるのであれば、測量を実施せず、公簿取引をおこなうことがあります。
ただし、境界標や塀、フェンスがなく、境界線が明確でない場合は測量したほうがよいでしょう。特に、高額な取引、登記簿上の面積と差異がありそうな場合は実施すべきです。

まとめ

土地の売却の流れから費用、高く売却するためのコツや注意点を解説しました。
土地は周辺環境や前面道路などの影響が大きく、一つひとつ物件によって査定金額が異なります。また、更地、古家付き土地、単独所有か共有かなどで、売却の仕方も変わってきます。
できるだけ高く売却し、トラブルなく取引を進めるためにも信頼できる不動産会社に売却を依頼することが大切です。

 

 

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