初めての一人暮らしにかかる費用は?その目安や抑えるコツを紹介

進学や就職をきっかけに、一人暮らしを始めるという人も多いでしょう。今まで家族に生活費の管理を任せていたなら、一人暮らしをするにあたっては特に「どのくらいお金がかかるのか?」が気になるところだと思います。

この記事では収入に合った家賃の設定、契約時の費用、月々の生活費などの目安と、費用を抑えるコツをお伝えしています。初めて一人暮らしをする人は安心してスタートできるよう、ぜひご一読ください。

 

一人暮らしにかかる初期費用と内訳

一人暮らしをするにあたり、「賃貸契約時」「引越し業者」「家具家電」と大きく3つの初期費用がかかります。それぞれがどういう性質のものなのか押さえておきましょう。

発生する費用 概要
賃貸契約時 部屋を契約する際に、不動産仲介業者または家主に支払う費用。
敷金、礼金、前家賃、日割り家賃、仲介手数料、管理費・共益費、鍵交換費用、火災保険料、賃貸保証料、消毒料、その他サポート料など。
引越し業者 引越し業者を使う場合の費用。
引越し先までの距離・引越しをする時期・引越しをする曜日などにより変動します。
家具家電 生活に最低限必要な家具家電の購入費用。
寝具・テーブル・椅子などの家具、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなどの家電、調理器具・食器などの生活用品など。

 

賃貸契約時の費用

賃貸契約時には様々な費用が発生し、まとまった金額を払う必要があります。聞きなれない用語に戸惑って、あまり確認せずに契約を進めてしまうと払いすぎてしまって後悔することも。賃貸契約にかかる費用の内容と目安をあらかじめ把握してから窓口へ向かうのがおすすめです。

概要 費用目安
敷金※ 家賃の滞納や修繕があった際に使用するための担保としてのお金。部屋の退去時に修繕費などを差し引いたうえで返還されます。 なし~家賃1ヶ月分
礼金※ 家主に対してお礼として支払う費用。部屋の契約を終了しても戻ってきません。 なし~家賃1ヶ月分
前家賃※ 契約の翌月分の家賃。家賃は一般的に先払い方式になっていることが多いため、契約時に支払います。 家賃1ヶ月分
日割家賃※ 契約時、または入居時から月末までの日数分の家賃。 家賃1ヶ月分÷月の日数×当月の契約(入居)日数
仲介手数料※ 不動産仲介業者に支払う手数料。 家賃の半分~1ヶ月分
管理費・共益費※ アパートやマンションなど集合住宅において、共有部分の維持管理のための費用。エレベーター・エントランス・ごみ置き場などのメンテナンス費・光熱費ほか。 なし~家賃の10%
鍵交換費用※ 前の借主の退去後、新しい鍵・シリンダーに交換するための費用。入居する前に交換する場合は契約時の費用になりますが、退去時に交換することもあります。 10,000~20,000円
火災保険料※ 火災など災害による損害があった際に補償してもらうための費用。一般的に下記3点が対象です。
  • ・自身の家財の損害への補償
  • ・家主への損害賠償金の補償
  • ・部屋の使用により生じた他人への損害賠償金の補償
15,000円
賃貸保証料 保証会社への加入費用。家賃滞納があった際に保証会社が家主に対して立て替えて支払います。連帯保証人を立てる場合は必要ないことも。 1~2年家賃の半分~1ヶ月分
消毒料 前の住人の退去後、消毒施工するための費用。作業内容は業者によって異なり、本格的な消毒作業から除菌スプレーの噴霧で済ませるパターンまで様々です。「クリーニング料」「消臭抗菌代」などの名称になっている場合も。 15,000~20,000円
その他サポート料 水漏れや鍵の紛失などの困りごと・近隣との揉めごとなどの生活トラブルに対応してくれるサービスの契約料。「24時間安心サポート」などの名称がついており、物件によって加入が義務になっていることもあります。 2年で15,000~20,000円

※必ずかかる費用


礼金は家主が自ら「なし」に設定していることもあれば、交渉次第で安くなることも。また退去時の修繕費用は基本的に家主負担になりますので、自分の過失で部屋を汚したり破損したりしていなければ敷金は返還されます。近年では敷金・礼金なしの「ゼロゼロ物件」も出てきていますが、代わりに消毒料や賃貸保証料、退去負担金などの名目で費用がかかり想定していない出費になることがあります。契約事項をよく読み、総合的に費用を抑えられる物件を探しましょう。

 

◆一人暮らしの家賃目安
一人暮らしの家賃の目安は、手取り収入の1/4から1/3程度が望ましいです。実際に生活を始めると、光熱費・食費など生活に必要な支出はもちろん、その他にも予想していたよりお金がかかるものです。他の支出を圧迫しない範囲で支払える家賃を設定し、部屋を探すのがおすすめです。

手取り額 家賃目安
100,000円 25,000~33,000円
120,000円 30,000~40,000円
150,000円 37,000~50,000円
180,000円 45,000~60,000円
200,000円 50,000~66,000円
250,000円 62,500~83,000円
300,000円 75,000~100,000円
350,000円 87,500~116,000円
400,000円 100,000~133,000円

 


◆引越し業者の費用

引越し業者を利用する際は「引越し先までの距離」「引越しをする時期」「引越しをする曜日」により、費用が大きく変わります。特に土日や祝日は高い料金設定になっている業者が多いので、学生など時間に余裕のある人は平日に引越しができると理想です。荷物の量でも料金が変動するので、新しい家具などはなるべく新居で揃えるようにしたいもの。また「単身パック」などのお得なサービスを展開している業者もありますので、上手に利用しましょう。

 
・引越し先までの距離

移動する距離 費用目安
同一の市区町村 15,000~50,000円
別の市区町村かつ同一の都道府県 18,000~51,500円
別の都道府県かつ同一の地方 21,000~66,000円
近隣の別の地方 24,000~83,000円
遠方の別の地方 26,000~100,700円


・引越しをする時期

引っ越しの時期 費用目安
繁忙期
(1月~4月)
54,000~78,000円
閑散期
(5月~12月)
45,000~59,000円

 


家具家電の費用

生活していくにあたり最低限必要になる家具家電は、引越した当日に届くようにしておきたいところ。家電量販店やネットショップでは、一人暮らしを始める人に向けてお得な家電セットなども販売されています。また、下記の表にない照明やドライヤーなどの細かいものも必要です。一日の生活をシミュレーションし、揃えるものをリストアップしておくとよいでしょう。

必要なもの 費用目安
家具 家具 10,000~50,000円
テーブル 5,000~10,000円
椅子 5,000~20,000円
カーテン 3,000~20,000円
収納家具 5,000~20,000円
ゴミ箱 2,000~5,000円
家電 冷蔵庫 20,000~40,000円
洗濯機 20,000~40,000円
電子レンジ 10,000円
炊飯器 10,000~15,000円
テレビ 20,000~30,000円
掃除機 10,000~20,000円
生活費用 調理器 10,000円
食器 2,000~5,000円

初期費用を抑えるポイントは、新品の家具家電にこだわらないことです。新生活と同時にピカピカの家具家電に囲まれたい気持ちもあると思いますが、徐々に買い替えていくのも楽しいもの。最初は家族や友人・知人から譲り受けたり、リサイクルショップ・フリマアプリなどを活用して堅実に一人暮らしを始めるのが無難です。

 


一人暮らしにかかる毎月の生活費

実際に生活する上で月々必要になるお金は、バランスよく使えるようにあらかじめ計算しておきましょう。下記の表には、政府による家計調査より21年10~12月期の単身世帯の平均費用を記載しています。ライフスタイルにより個人差があるので、自分の場合はどのくらいになるのか考えておくと安心です。

 

項目 費用目安
食費 40,000円
水道光熱費 10,000円
通信費 6,800円
交際費 15,000円
娯楽費 16,000円
医療費 7,800円
その他雑貨 15,000円

 


食費
       
食費とは、毎日の食事にかかる費用です。自炊をするなら材料費、外食ならその食事代を計算します。また、おやつや飲み物、酒代を入れる場合もあります。

学生よりも外食の機会が多い社会人、女性よりも食べる量の多い男性は食費が大きめになります。友人や恋人との食事なら交際費、お菓子やコーヒー、酒代は娯楽費に含める場合もあります。月々の出費の合計が変わるわけではないので、自分で管理しやすいように決めるとよいでしょう。

食費を抑えるポイントとしては、外食の回数や費用を減らすことです。レストランで注文すると1,000円を超えるメニューも、一般的なスーパーの食材で作れば数百円に抑えることができます。食費を節約したいなら、なるべく自炊するよう心がけることをおすすめします。 

 

◆水道光熱費

一人暮らしにおける水道光熱費とは「水道代」「ガス代」「電気代」のこと。生活していくにあたって最低限必要になり、料金の支払いが確認できないと止められてしまうので気をつけたいところです。

水道代は地域の水道局によって料金設定されており、2ヶ月に1回の請求が一般的。ガス代は都市ガスかプロパンガスかによっても価格に差が出ますので、物件契約前に確認しておけるとベターです。電気代については賃貸でも自分で電力会社を選べるケースが多いので、各社のプランなどをよく比較検討するとよいでしょう。またオール電化住宅としてガスの契約が必要ない代わりに電気代が高くなる場合もあるので、部屋の契約時に確認が必要です。     

水道光熱費を抑えるポイントは、節水や節電を心掛けること。夏は薄着で冬は厚着にするほか、毎日のお風呂をたまにはシャワーだけにする、こまめにコンセントを抜いて待機電力がかかるのを防ぐなどの地道な節約が功を奏します。  

   

◆通信費

通信費とは、電話代やインターネット回線代、テレビ受信料、郵便料金などのことです。一人暮らしで固定電話回線を引く人は減ってきているので、スマホ料金やWi-Fi回線、プロバイダー代などが主な費用になるでしょう。

自宅でのスマホ利用はLINEのやり取りなどに限られているという人は安く抑えることができます。逆に動画をたくさん見たり、パソコンでネットを使って作業するというような場合は費用も大きめになります。

通信費を抑えるポイントとして、スマホを大手キャリアから格安SIMへ乗り換えるだけでも効果があります。光回線と格安SIMを組み合わせたお得なサービスを提供している会社もありますので、自分のスタイルに合わせて最も費用が抑えられるものを探しましょう。

 

◆交際費

一人暮らしにおいての交際費とは、友人や恋人、または会社の人など他人との付き合いで発生する費用のことです。その内容は食事、飲み会、プレゼント代など様々で、月によって変動に差がある費用のひとつです。

個人差もあり、あまり人と交流しない場合は少なめになりますが、活発に交流することが好きだったり飲み会に多く参加したりする人は交際費も大きくなりがちです。また結婚式のご祝儀など冠婚葬祭にかかる費用は突然発生し、金額も大きくなることが多いのであらかじめ余裕を持っておきたいところです。

交際費を抑えたいと思ったら、飲み会は一次会のみにする、プレゼントや食事代にお金をかけすぎない、屋外や公共施設でのデートを楽しむなど、人付き合いと出費のバランスを上手にとれるよう工夫することをおすすめします。

 

◆娯楽費

娯楽費は、趣味やレジャーなどの自分の楽しみにかかった費用のこと。一人暮らしの場合はマンガや書籍代、服飾や美容にリラクゼーション代、映画やアプリ代などが多いのではないでしょうか。

趣味にあまりお金をかけず、シンプルな暮らしを好む人なら自然と娯楽費を抑えることができるかもしれません。しかし念願の一人暮らしを始めたのだから、思いきり楽しみたいという気持ちもあるでしょう。ストイックに削りすぎてしまうことなく、家計を圧迫しない程度にかけたい費用です。

楽しみながら娯楽費を抑えるポイントもあります。例えば服や書籍はフリマアプリなどを利用してユーズドを探したり、友人と貸し借りするのも楽しいもの。音楽・映画ならお得なサブスクやレンタルサービスなどをうまく使い、少しでも割安になる方法を考えましょう。

 

◆医療費

医療費とはケガや病気などをしてかかった病院代や、医薬品の購入にあてた費用のことです。整骨院などでマッサージを受けたときも医療費とする場合があります。

若い世代の一人暮らしでは、歯科治療や風邪薬の購入などが多くなると考えられます。しかし持病のある方は定期的に通院する必要が出てきますし、コンタクトレンズ使用のための検診なども医療費として計算しますので、個人差の大きい費用といえます。

健康を維持するためにも、医療費を無理に抑えることは好ましくありません。しかし日ごろから体によい食事や運動に気を配り、上手にストレス解消する手段を見つけて過ごしていれば、結果的に医療費を節約できます。

 

◆その他雑費

上記に挙げた費用のほかに、雑費として生活雑貨など消耗品の購入費や交通費などがあります。消耗品としては、例えば洗剤やトイレットペーパー、シャンプー類、掃除用品、化粧品など、生活する上で必要になってくる品が挙げられます。交通費なら、電車賃やバス、タクシー代などです。その他、収納用具などの小物も雑費に含めます。

消耗品類は一人暮らしをする上で欠かせないものになりますが、価格の幅も様々。全くかからないという人はいなくても、こだわりのある人は費用も多くなってしまいがちです。交通費は社会人なら仕事にかかわるものは経費として請求できますが、学生だと自己負担になります。

雑費を節約するポイントは、生活用品や小物類なら使う商品にこだわりすぎないこと。高級品やおしゃれなブランドものなら品質が高いとは限らないので、100円均一やディスカウントショップなどを上手に利用するとよいでしょう。交通費であれば、都会の1駅分くらいなら歩く、自転車を利用する、タクシーは使わないなどの努力をしましょう。


◆一人暮らしを始めてから徐々に揃えたいもの

一人暮らしに慣れて余裕が出てきたら、新たに日々の生活を快適にする家具家電を追加していきましょう。自分の過ごし方や積極的に人を呼びたいかなど、理想のライフスタイルによって購入する商品の価格帯が異なり費用も変わってきます。インテリアに凝るのは一人暮らしの楽しみのひとつですが、衝動買いに気をつけて生活費とのバランスを考えながら慎重に選ぶようにしたいところです。

揃えたいもの 費用目安
ソファ 8,000~50,000円
ラグ 3,000~20,000円
バスマット 1,500~5,000円
便座カバー 500~2,000円

洗濯かご

800~2,000円
物干し竿 2,000~3,000円
壁掛け都計 2,000~15,000円
電気ケトル 3,500~12,000円
オーブント―スター 3,000~8,000円
パソコン 20,000~300,000円

 


◆まとめ

初めて一人暮らしをする方に向けて、初期費用から月々の生活費、徐々に揃えたい家具家電についてご紹介しました。ポイントをまとめると、契約時の各費用の内訳と概算を知っておくこと、引越し業者を使う場合はお得な料金の日取りを選ぶこと、新品にこだわらずに家具家電を揃えること、月々の生活費を把握しお金を使いすぎないことなどが大切になってきます。毎月の収支を確認し、無理のない計画を立てながら新生活を楽しみましょう。

 

 

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