引越し時に出たごみはどう処分すればいい?
いつも捨てるような日常的なごみ類なら、普段どおりに各自治体のルールに沿って処分すれば、基本的に問題はありません。ただし、「ごみ袋が何個もある」「引越しにともなって家具を捨てたい」など、大量の処分品や粗大ごみでは、取り扱いが異なります。あらかじめ自治体などに連絡をして、処分に向けた手続きをしなければならないケースもあります。引越しでごみが出る時には、荷物を出す当日ぎりぎりではなく、早めから計画的に対処できるようにしましょう。
【種類別】引越し時のごみの処分方法
では実際に、引越しにともなうごみの処分方法について、ごみの種類ごとに解説していきます。なお引越し時に想定されるごみの種類としては、以下のとおりです。
- 燃えるごみ
- 燃えないごみ
- 資源ごみ
- 粗大ごみ
- 有害ごみ
燃えるごみ
燃えるごみは、可燃物に該当するものです。例えばお掃除シートやティッシュなどの紙くずは、基本的に燃えるごみとなります。自治体ごとに分別方法には違いがありますが、以下のようなものも燃えるごみで捨てられるケースがあります。
- 靴やバッグなどの皮革製品
- 衣類や布類(カーテンやシーツなど)
- プラスチック製品(プラマークのない容器・タッパー・ポリバケツなど)
- CDやDVD
いずれも各自治体の所定のごみ袋に入るサイズや量なら、指定日の回収場に出す方法でOKです。なお衣類・布類・靴などは、自治体によっては燃えるごみではなく、資源回収の対象になっている場合もあります。特に洋服などのファッションアイテムは、引越し時にも出やすい不用品なので、各自治体でどのように取り扱うのか、あらかじめ十分に確認しておきましょう。
一度に大量に捨てる場合は自治体に連絡する
各家庭で一度に何袋にもわたってごみを出してしまうと、回収場からあふれてしまう・収集のトラックに収まりきらないなどのトラブルにつながってしまいます。そのため大量のごみになりそうな時には、まず各自治体の環境課など、専門窓口に問い合わせをして確認する必要があります。
こうした大量処分は「一時多量ごみ」と呼ばれており、多くの場合は各自治体が許可した回収会社に申し込みをして、別途取りに来てもらう流れになります。なお自治体によって異なりますが、一時多量ごみとなる大まかな目安は、45リットル袋4個~10個程度です。引越し時には、荷物の整理にともなって多くの処分品が出る場合も少なくないので、計画的にごみ出しができるようにしましょう。
燃えないごみ
金属類やガラス・陶器などは、不燃物として処分します。例えば引越しにあたり、以下のようなものを捨てる場合、燃えないごみに該当します。
- 金属製品(鍋・フライパン・やかん・包丁など)
- 小型家電(アイロン・ケトル・ドライヤーなど)
- ガラス製品(コップ・電球など)
- 陶器類(食器・マグカップなど)
燃えないごみも所定のごみ袋に入れて、自治体ごとの決まった回収日に出すだけでOKです。ただし燃えないごみは、回収してもらえる指定日が月に数回など、可燃物に比べて少ないケースも多くあります。また自治体によっては不定期になっている場合もあるので、引越しまでに処分できるように、必ず市区町村が出すごみの回収スケジュールを確認しておきましょう。
小型家電については国が「小型家電リサイクル法」を推奨しており、小型家電サイクルボックスを利用する方法もありますのでチェックしておきましょう。
なお、割れたガラス・陶器や刃物は、ごみ袋を突き破ってしまう可能性が高く、ごみ収集時のケガにつながる恐れがあります。鋭利なものを捨てる際には、古紙などで包むか購入時の外装で梱包して、危険がないように保護したうえで処分しましょう。
資源ごみ
資源ごみは、リサイクル回収の対象となっているものです。特に食品や飲み物などにともなうごみが多いので、引越し直前まで出やすい一面もあります。具体的には、以下のような例が挙げられます。
- プラスチック容器・包装(トレー・カップ・使い捨て食器・緩衝材・発泡スチロールなど)※プラマーク製品
- 各種パッケージ(缶・びん・ペットボトル・紙パック)
- 紙類(チラシ・郵便物など)
- 古紙(新聞紙・雑誌・本・段ボールなど)★
- 衣類・布類 ★
上記のうち、プラマーク製品・各種パッケージ・紙類は、所定のごみ袋に入れて出せるのが一般的です。「★マーク」が付いた、古紙や衣類・布類は、通常ごみとは異なる方法で別途回収しているケースも。自治体ごとに取り扱いが変わってくるので、事前に確認が必要です。また、古紙や衣類・布類の資源回収も不定期なスケジュールになっている場合があるので、引越しに間に合うように計画しておきましょう。
粗大ごみ
引越しは家具の買い換えなども発生しやすく、粗大ごみも出やすいタイミングです。ただし粗大ごみは、他のごみと同じようには出せないので、もっとも取り扱いに困りやすいのではないでしょうか?そこで、家具などの粗大ごみを処分する方法として、以下の4つのパターンをご紹介します。
自治体に粗大ごみ回収を依頼する
粗大ごみの一般的な処分方法としては、各自治体の粗大ごみ受付センターに問い合わせ・予約をして、希望の日程で回収に来てもらいます。粗大ごみ回収の申し込みをしたら、コンビニなどで手数料納付シールを購入し、回収物に貼り付けて出しておくのが通常です。
希望の日程での回収が難しい場合には、各自治体の廃棄処理場まで直接持ち込むことも可能。こちらも事前に申し込みをして、所定の日時に廃棄処理場まで運ぶことになります。なお手数料の支払い方法は自治体ごとに異なりますが、事前に納付シールを貼っておく、もしくは重量ごとにその場で現金精算が基本です。
不用品回収業者に依頼する
例えば「どうしても時間がない」「自分では持ち運べないものがある」などの場合、不用品回収業者に頼む方法もあります。不用品回収業者であれば比較的スケジュールの融通も利きやすく、室内からの運搬作業なども対応してもらえます。即日依頼ができるケースもあるため便利です。
ただし、手間がかからない分コストがかかりやすい点には要注意。なかには買取サービスを同時におこなっている会社もありますが、さほど大きな利益にならず、結局は処分費用で足が出てしまうパターンが多々見られます。自治体の粗大ごみ回収に出すのが難しい時にはおすすめですが、もし時間があるなら、次でご紹介する方法がお得です。
オークションやフリマアプリで販売する
壊れていたり汚れがひどかったりする場合は難しいですが、もしまだまだ使えるレベルなら、オークションやフリマアプリで販売するのがおすすめ。処分費用もほぼかかりませんし、ちょっとしたお小遣い稼ぎもできて一石二鳥です。引越しの際には何かとコストがかかるので、費用の足しにもできて便利でしょう。
ただし買い手が見つからないと、最終的に引越しまでに処分ができない可能性もあります。きちんと売れるまでの期間を見越したスケジュールを考えておくか、引越しまでに残ってしまった時の対処法も検討しておきましょう。
友人や知人に譲る
あまり販売する余裕がない時には、友人や知人に譲る方法もあります。この場合も、引越しまでに間に合うように引き渡しを済ませるのがベストです。特に大きな荷物になると運び出すのも大変なので、計画的に譲れるように相談しておきます。
以上が粗大ごみの処分方法です。自分に合った方法で処分できるよう、事前に検討しておきましょう。
有害ごみ
引越しで荷物を整理していると、乾電池や蛍光灯などのごみが出てくることもありますが、これらは燃えないごみではなく有害物扱いとなるので注意が必要。他にも、有害物として別途回収となる種類がいくつかあるため、しっかりと確認しておきましょう。
- 乾電池
- 蛍光灯 ※割れ防止のため購入時の外装で梱包、または古紙で包装して固定
- 体温計・血圧計(水銀を使用したもの)※電子式は燃えないごみで可
- スプレー缶、カセットガスボンベ ※中身を使いきってガス抜き
- 使い捨てライター
こうした有害ごみを出す場合には、透明の袋に入れて「有害ごみ・危険物」と明記する、もしくは回収場にある所定の専用ボックスに入れて廃棄します。有害ごみは、適切に処理しないと大きな事故につながる危険があるので、通常の廃棄物と混ぜないように分別が必須です。
引越し時にごみに出せない代表的なモノと処分方法
引越しの際に注意したいのが、以下のような家具・家電を新しく買い換えるケースです。次に挙げていく例は、通常のごみと同じように廃棄することができないため、別で処分する必要があります。
- エアコン
- テレビ
- 洗濯機
- 冷蔵庫
- パソコン・モニター
- スプリング入りマットレス
上記にもあるような、大型家電や精密機器などは、基本的に粗大ごみにできません。これらは「家電リサイクル法」に基づき、資源としての再利用が求められているためです。粗大ごみとして廃棄するのではなく、特別な回収方法によってリサイクルする必要があるので覚えておきましょう。なお家電類を処分する方法は、購入元の販売店での引き取り、もしくは指定取引場への持ち込みが基本。「どこで買ったかわからない」「運ぶのが難しい」などの場合には、各自治体に必要な手続きを確認してみましょう。
ちなみに上記のうち、スプリング入りマットレスのみ家電ではありませんが、構造が複雑なことから粗大ごみ回収ができない自治体もあります。なかには粗大ごみとして出せる地域もあるので、一度公式ホームページなどを見てチェックしてみましょう。
いずれにしても、処分方法はいくつか検討できる余地はあります。どうしても回収が難しい場合には、前述にも出てきた粗大ごみの処分パターンと重複しますが、次の方法も参考にしてみてください。
不用品回収会社に依頼する
不用品回収会社に任せれば、きちんと家電リサイクル法に沿った処分をしてくれます。「購入元を覚えていない」「自分で持ち込みができない」などの場合は、不用品回収会社に依頼してみましょう。なお家電リサイクル法対象物がある際には、別途料金が追加になることも多いので、通常より費用がかかってしまう可能性もあります。だからといって「無料回収!」とうたっていたり、スピーカーで廃品回収の放送をしている会社に依頼するのは危険。こうした不用品回収会社では違法で事業をおこなっているケースも多く、あとから高額請求などのトラブルになるパターンも少なくありません。コストはかかってしまいますが、不用品回収時には必ず「一般廃棄物収集運搬業」の許認可がある会社に依頼しましょう。
オークションやフリマアプリで販売する
こちらも粗大ごみと同様ですが、中古品として自分で売る方法もあります。ただし家電の場合は、十分に機能しないと販売は難しいので、事前にしっかりと状態を確認したうえで売りに出すようにしましょう。また何か不備がある時に申告せず売ってしまうと、大きなトラブルになる可能性があります。きちんと問題なく使えるものを販売するようにしましょう。
友人や知人に譲る
正常に使える状態であれば、周りの人に譲るのもひとつの方法です。故障している場合は、後ほどトラブルに発展する可能性もあるため避けたほうが無難かもしれません。お互いにしっかりと製品の状態を確認・把握して、問題がないことを確認したうえで譲るようにします。
引越し当日のごみはどうやって捨てる?
引越しの準備でバタバタしていると、なかなかごみを処分するタイミングが取れないまま転居当日を迎えてしまうこともあるかもしれません。もしくは引越し当日になって、細かなごみが発生するケースもあるでしょう。どうしても引越しまでに処分が難しい時には、以下のような対処方法が考えられます。
ごみ処理場へ直接持ち込む
先ほどの粗大ごみの処分方法でも出てきたように、自分で各地域の廃棄処理場へ持ち込んで廃棄する方法があります。ただし前述にもあるように、一般的には事前予約が必要となるので、特に賃貸では退去に間に合うように申し込みをして運び出さなければなりません。引越し当日になってしまった場合には、きちんと退去日に自分で回収し、処分できるように手配しておきましょう。
引越し会社に相談する
どうしても処分できない荷物がある時には、引越し会社に相談すれば、不用品回収サービスとして引き取ってくれるケースがあります。もちろん追加料金にはなりますが、当日に確認してみるのもひとつの方法です。
新居に持ち込む
引越し会社にお願いして、運搬予定の荷物に加えて、ごみも一緒に新居まで運んでもらう方法もあります。ただし、大幅に物量が変わってしまう場合など、トラックへの積載が難しい時には断られてしまうケースも。また可燃物などの一般ごみは、基本的に引越し会社では運べないので、自分で持って行くようにしましょう。もし賃貸などで当日に荷物が残ってしまいそうな時には、管理会社や大家さんに相談して、一時的に置いておけるようにお願いしてみてもいいかもしれません。
引越しが決まったら計画的にごみを処分しよう
今回見てきたように、引越しにともなうごみは、日常的なごみの捨て方とは勝手が違うパターンも多くあります。特に粗大ごみや家電類は、処分するのに別途手続きが必要なので、忘れず手配するようにしましょう。資源ごみなども、自治体によっては月に数回しか出せるタイミングが少なく、引越し直前では思うように処分できないケースもあります。そのため引越し時の不用品処分は、計画的に進めるようにしましょう。
引越しは、できるだけ荷物が少ないほうが何かと効率的なので、断捨離をする絶好のチャンスでもあります。引越し時の断捨離については、以下の記事でも詳しくご紹介しているので、あわせてチェックしてみてくださいね。
まとめ
本記事のまとめとして、引越しにおけるごみの処分方法のポイントをまとめていきます。
引越し時のごみの捨て方は?
可燃・不燃・資源(プラやペットボトルなど)といった一般ごみなら、各自治体が指定する通常どおりの捨て方で問題ありません。ただし古紙や古着などは、別途資源回収をするケースが多いので、あらかじめ自治体からの案内を確認しておきましょう。なお粗大ごみは、自治体に連絡して廃棄する他、不用品回収会社に依頼する・自分で売る・誰かに譲るなどの方法もあります。
引越し時にごみに出せない代表的なモノは?
エアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機・パソコンなどの家電類は、家電リサイクル法の対象となり、ごみとしての廃棄ができません。購入した販売店に引き取ってもらうか、自分で指定取引場まで持ち込み、資源として再利用する必要があります。
引越し当日に出たごみはどうする?
引越し当日に処分したいごみがある場合、自分で廃棄処理場まで持ち込むか、新居までいったん運んでから処分しましょう。家具などの粗大ごみなら、引越し会社で不用品回収サービスとして引き取り、または新居までの運搬をしてもらえることもあります。対処が難しい時には、引越し会社に相談してみるとよいでしょう。
引越しの準備は、何かとごみが出ることも多いうえに、退去するまでに処分しておく必要があります。特に賃貸では転居元に荷物を残しておくことはできませんし、元々運搬する予定だった物量から変わってしまうと、トラックに載せきれないなどのトラブルにつながる可能性も。また、引越しで運ぶ荷物は、少なければ少ないほど料金も安くなり、作業時間も短縮できます。ぜひ引越しを機に、荷物を整理して処分し、スッキリと当日を迎えられるようにしましょう。