七夕の笹飾りの短冊に願い事を書くのはなぜ?七夕飾りの意味・種類

七夕飾りの由来や意味を知って「七夕」をもっと楽しく!

七夕には七夕飾り(笹飾り)が欠かせませんが、そもそもなぜ笹竹に飾りものをつるすのでしょう? 短冊に何を書けばいいの? そもそもなぜ短冊に願い事を書くの? ……改めて考えると分からないことが多いはず。笹飾りの意味や七夕飾りの疑問を解いて、七夕をもっと楽しみましょう! 折り紙を用いた簡単な七夕飾りもご紹介。子育て・保育にも役立ちます!

 

七夕飾り・笹飾りの由来や意味、どうして笹竹に飾りものをつるすの?

七夕は、遊んでばかりで働かなくなった織姫と彦星を戒め、働くことを条件に年に一度だけ再会することが許された「七夕伝説」をもとに、技芸の上達を願う「乞巧奠(きっこうでん)」が生まれ、日本古来の「棚機つ女(たなばたつめ)」の伝説や、「お盆前の清めの風習」などが結びついて現在のようなかたちになりました。

いずれも祈りや願いがテーマとなっており、それを具現化したものが七夕飾り(笹飾り)です。笹竹は天の神様が依りつくところ(依り代)とされているので、願いを込めた飾りものを笹竹につるし、天に向かって掲げるわけです。

 

七夕飾り・笹飾りで短冊に願い事を書くのはなぜ? 

短冊に願い事を書くのは、「乞巧奠(きっこうでん)」に由来します。「乞巧奠」では、貴族が手芸、詩歌、管弦楽、文字などの上達を願い、梶の葉に文字を綴っていました。

現在のような七夕飾り(笹飾り)になったのは、江戸時代だといわれています。とりわけ江戸時代は寺子屋が増えたため、習字や習い事の上達を願う行事として親しまれ、短冊に願い事を書くことが広がっていきました。

なお、童謡でもおなじみの「五色の短冊」の「五色」とは、中国伝来の陰陽五行説に基づく「青・赤・黄・白・黒」の五色のことです。

 

七夕の短冊には何を書けばいいの? NGな願い事は?

七夕の由来を踏まえると、何が欲しい、どこへ行きたいといった欲望ではなく、習い事や勉強といった物事の上達、自分の努力で成し遂げられる夢や目標を願うのが筋です。

その他には、「無病息災」や「家内安全」、「織姫」や「天の川」といった七夕にちなんだこと、和歌などが相応しいとされています。

なお、本来はサトイモの葉に溜まった夜露を集めて墨をすり、その墨で文字を綴ります。サトイモの葉は神から授かった天の水を受ける傘の役目をしていたと考えられているため、その水で墨をすると文字も上達し、願いが叶うといわれているからです。
 

七夕飾り・笹飾りの種類…… 短冊以外の飾りものにも意味はあるの?

七夕飾り(笹飾り)の飾りものにはそれぞれ意味があります。主な飾りものについて説明します。

■五色の短冊 
願い事を書き、願いが叶うよう祈願します。

■吹流し
昔は五色の糸を垂らしていました。織姫の織り糸を表しているともいわれ、吹流しにしたり、薬玉に下げると魔除けになります。

■折り鶴
鶴は長寿の象徴なので、長寿祈願になります。千羽鶴にすることも。

■紙衣(かみこ)
色紙を着物の形に折ったり、切ったりしたもの。棚機つ女(たなばたつめ)の織る「神御衣(かんみそ)」に通じ、手芸上達、厄払い、着るものに困らなくなるなどの意味があります。

■巾着
金運上昇を祈願。折り紙で折るほか、本物の財布をさげることもあります。

■綱飾り
豊年満作・大漁を祈願。幸せをすくいあげるという意味もあります。

■くずかご
物を粗末にしないよう、七夕飾りの紙くずを入れます。

 

七夕飾り・笹飾りは折り紙で作れる!

上で紹介した七夕飾りは、すべて折り紙で作れます。簡単に作れるので、ぜひ楽しんでみてください。