昨今は空前のサウナブーム。人気のサウナは、並んで待たないと入れないこともあります。でも、あの“整う”感覚を一度味わってしまったら、また行かずにはいられない!と虜になってしまう方も少なくないでしょう。いっそのこと、自宅にサウナを……なんて思うサウナー(サウナ好き)もいるのでは?
そんなサウナーの方にも、サウナは暑くてちょっと苦手という方にもおすすめで、家庭のお風呂に後付けできる設備に「ミストサウナ」があります。家に帰ればサウナが待っていて、24時間好きなタイミングで入れるのは魅力的。家でもサウナを楽しみたい方に向けて、この記事では自宅でできるミストサウナについて詳しくご紹介します。
ミストサウナとは?
ミストサウナとは、サウナ室や浴室に細粒化した水滴を噴霧(ふんむ)させて、全身を潤わせながら温めてくれる「湿式サウナ」のひとつです。温度は約40°C、湿度は90%以上に設定されていることが多く、銭湯にある一般的なドライサウナとは異なり、熱気による息苦しさがありません。似たものにスチームサウナがありますが、スチームサウナは水を沸騰させて発生した蒸気で温める方法。同じ「湿式サウナ」でも少し違います。
ミストサウナの機能には「スプラッシュミスト」と「マイクロミスト」があります。細霧のスプラッシュミストは肌に心地のよい刺激を与え、発汗、保温、血行促進に効果を発揮。そして超微霧のマイクロミストは、全身に潤いを与え、美肌育成やリラックスに効果的です。
ドライサウナとの違い
日本人にとって馴染み深いサウナといえば、ドライサウナです。温度は80°C〜100°Cで湿度は10°C前後と、熱くてカラカラに乾いている「乾式サウナ」。入っている間に熱で皮膚が痛いような感覚になってきて、長時間ずっと入り続けることはできません。これに対し、ミストサウナは約40°Cと体温よりも少し高いくらいなので、長時間入っていても息苦しくならず、湿度が高いので全身が潤います。
家庭用のミストサウナでも”整う”?
サウナブームの火付け役になったキーワードが“整う”です。高温のサウナに5~10分ほど入って身体中が熱くなったら、冷たい水風呂に30秒から1分ほど入って全身を冷やす。そのあと、室外のチェアやベンチに座ったり寝そべったりしながら外気を浴び、10分ほど休憩します。このサイクルを繰り返すことで体の内部からじんわりと温まり、リラックス状態になることが“整う”と呼ばれています。
ミストサウナはドライサウナと比べて温度が低いため、「ドライサウナ→水風呂」の流れに比べると刺激は少ないでしょう。“整う”ために必要な寒暖差を生み出すことが難しいですが、ミストサウナでも血流促進や発汗作用はあるため、ゆるやかではありますが“整う”ことはできそうです。
ミストサウナの効果
実際のところ、ミストサウナ自体にはどのような効果が期待できるのでしょうか? 以下に、ミストサウナの効果についてまとめました。
血行促進
温かいミストに包みこまれることで、体がすみずみまで温まり、血流が促進されます。頭皮の血行もよくなるため、頭皮や毛髪にもいい影響が期待されています。
発汗作用
ミストサウナは通常の入浴に比べて、同じ時間で2倍ほど発汗量が多いといわれています。高温で温めるドライサウナに比べても、発汗量はミストサウナの方が多くなるのです。発汗することで新陳代謝が活発になるため、毛穴ケアに効果的。ミストサウナの場合は湿度のある中で発汗するので、水分を奪われることなく毛穴ケアができるのも嬉しいポイントです。汗と一緒に老廃物も流され、すっきりとした気分になれるでしょう。
美肌効果
細かいミストを浴び続けることで肌の水分量の蒸発が減り、保湿力が高まるなどの美肌効果も期待できます。冬など肌が乾燥しやすい季節に、素早く保湿できるのも魅力的です。継続的にミストサウナに入り続けることで、平常時の肌の水分量がアップしたという実験結果も出ています。
短時間で体が温まる
低温でじっくり入浴できますが、同じ温度のお風呂につかるよりも短時間で体が温まります。ゆっくり入ってリラックスするのもいいですが、短い時間で体を温めることができるので、時間のないときにもしっかりと入浴効果を得られます。
入浴後の体温維持
冷え性の方や寒い季節は、入浴した後の湯冷めが気になりますよね。シャワー浴の場合でも入浴後は徐々に体温が上がりますが、ミストサウナ浴をした場合は入浴後の深部体温の上昇が大きく、温かい状態が長く持続します。冷え性改善にも期待がもてそうです。
ミストサウナの入り方
ミストサウナの入り方は、通常のドライサウナと変わりません。最初に温水シャワーを浴びるなどして、毛穴を開いておくとよいでしょう。乾燥肌で肌質を改善したい、リラックスして自律神経を整えたい、冷え性を改善したい方は毎日入るのがおすすめ。長時間入りすぎると体に負担がかかる場合があるので、10分〜30分を入浴時間の目安にしましょう。10分だけの入浴でも十分に体は温まります。発汗効果を期待する場合、10分を過ぎた頃から発汗量が増えてくるので、体調に合わせて心地よさが感じられる程度まで入浴を続けてもよいでしょう。
ミストサウナのメリット
先にご紹介した期待できる効果と重複する部分がありますが、ミストサウナのメリットについてもう少し細かくみていきましょう。
リラックス&リフレッシュできる
体温よりも少し高めの温度のミストサウナは、我慢することなく入り続けることができます。息苦しさやほてりを感じることもなく、長い時間をかけてゆっくりと体を温めることで、副交感神経が働いてリラックスできるでしょう。自律神経を整え、心地よく入眠できるはずです。
体への負担が少ない
高温のドライサウナやお湯につかる場合と比べて、ミストサウナは血圧の上昇や核心温(身体深部の温度)の上昇が少なく、発汗量は多いとされています。湯船をまたぐときに発生しがちな怪我を防止することができ、水圧の影響がなく血圧の上昇を抑えられるため、高齢者にもおすすめの入浴法です。湯船に浸かる場合でも、先にミストサウナで浴室を温めることができるので、ヒートショックの原因になる外気温との温度差を少なくすることができます。
デトックス効果・保湿効果がある
ミストサウナに入ると、じんわりと体を温めて汗をかくことで、老廃物や余分な皮脂などが排出されやすくなります。また、ミストサウナの入浴を続けると、肌に蓄えられた水分の蒸発量が減少。これによって角質の水分量が上がり、肌の保湿力が高まるという研究結果もあるようです。
ミストサウナのデメリット
ミストサウナがあれば、毎日の入浴時間が楽しくなることでしょう。しかし、果たしてデメリットはないのでしょうか? 設備のお手入れやコストなども、ここで詳しく確認しておきましょう。
カビが発生しやすい環境になる?
ミストサウナを使用すると、カビが生えやすいように思う方もいるでしょう。しかし、ミストサウナ使用時の湿気の量は、通常の入浴と変わりません。つまり、ミストサウナだからカビが生えやすくなるということではないのです。カビは使用中の湯気や蒸気の量が問題なのではなく、使用後に浴室内が濡れたままの時間が続くことが問題。24時間換気機能を活用したり、窓を開けて通風したりして、カビの発生を防ぎましょう。
光熱費がかかる
ミストサウナの機器は、浴室乾燥機との複合型になっている場合が多いでしょう。そのため、単機能での光熱費はわかりにくいかもしれません。また、ミストサウナにはガス式と電気式のものがあり、熱源がガスなのか電気なのか、浴室の広さがどのくらいなのかによってもコストは変わってきます。そのため一概にはいえませんが、1回30分の使用で25円〜40円くらいが目安となるでしょう。
ミストサウナの取り付け方は?後付けできる?
もともと新築時にミストサウナがついている物件もありますが、後付けできるタイプのミストタイプもあります。どのように取り付ければよいのか、後付けできるミストサウナのタイプについてもご紹介しましょう。
ミストサウナの種類
家庭用ミストサウナには、以下の2種類があります。それぞれの違いについて見ていきましょう。
壁かけタイプ
壁かけ(後付け)タイプは「温水式浴室暖房乾燥機」として販売されていることが多く、その機能のひとつにミストサウナや冷水ミストがあります。家庭用エアコンのような形をしていて、リモコンで操作するタイプです。本体価格はメーカーや機能によっても違いますが、8〜20万円程度がだいたいの目安。ミストを噴霧するノズルの数や、温められる範囲によっても価格は変わります。
ミスト機能を使うには、本体とは別に熱源機が必要。エアコンの室外機のようなイメージですが、こちらは本体価格40万円〜80万円程度します。工事費用の目安は、浴室暖房機取り付け費用に約1万円、電気配線工事費用に約1万5,000円、給排水管工事費用に約2万円、熱源機設置費用に約5万円で合計9万5,000円程度。壁に漆喰が塗られていたり、浴室の内装に木材を使用したりする従来型の浴室には設置できない場合があります。
天井設置タイプ
天井設置タイプは、浴室の天井に機器を埋め込む先付けタイプです。ほとんどの場合が新築時に採用され、後付けする場合は大がかりな工事が必要になります。多機能かつ高性能で、温かいミストと温風のダブルでパワフルに浴室を温めるため、快適な入浴時間が過ごせるでしょう。システムバスには設置可能ですが、昔ながらの浴室には設置できない場合もあります。本体代金は15万円〜20万円程度。こちらも、本体とは別に熱源機(40万円〜80万円程度)が必要です。天井設置型の工事費用は設置する浴室の状態によって大きく変わるので、見積もりで確認しましょう。
ミストサウナの取り付け方
本格的なミストサウナを取り付ける場合、熱源機とミストサウナ機器を繋げたり、給水・給湯・排水の配管工事をしたりしなくてはならず、専門業者への依頼が必要です。マンション住まいでミストサウナを設置したいなら、熱源機の場所がどこにあるか確かめましょう。外に熱源機があり、壁に穴を開ける必要がある場合、壁はマンションの共用部分になるため後付けすることができません。もともと浴室乾燥暖房機がついている物件でも、ミストサウナ機能のある浴室乾燥暖房機と交換するなら、給水・給湯・排水のための配管工事が必要になります。どのメーカーのどのタイプのものを取り付けるのかについてもよく考えましょう。
まとめ
家にミストサウナがあれば、仕事や家事などの疲れもリフレッシュできます。おうち時間が、より一層豊かになりそうですね。保湿と発汗で、美肌効果にも期待が高まります。
ただし、高性能のミストサウナを後付けしようとすると、かなりの出費になります。もともとミストサウナが付いている物件を選べば、入居と同時にミストサウナのある暮らしをはじめることができますよ! これからマンション購入を検討している方は、ミストサウナ付き物件を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?
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