花を長持ちさせる「水揚げ」と「水替え」

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冬場なら3週間、夏場でも1週間。「水揚げ」と「水替え」の2つのお手入れさえ知っておけば、花は意外と長持ちします。「毎日、水替えなんて無理~」という人でも、ポイントさえ押さえておけば、ラクにできるようになりますよ。

 

◆切り花のお手入れは、花ではなく「水」の管理がポイント

フラワーベースに飾られた花。長持ちするためのお手入れは、どこを見てしていますか? もちろん、お花!という人が多いのではないでしょうか。でも実は、花を見て「萎れてきたから」と慌てて水替えなどをしても手遅れなことが多いのです。花を長持ちさせるためには、花よりもフラワーベースの中の水に注目することが重要ポイント。花が萎れるのは、水の中で雑菌が繁殖し、茎の切り口が傷むことで水揚げが悪くなるから。水を清潔に保ち、切り口をいつも新鮮にしておくことで、花もイキイキと長持ちします。

 

◆花を買ってきたら、まず「水揚げ」。最初のひと手間が肝心

清潔な水がしっかりと花の部分まで上がることで、花はきれいに咲き続けます。水を吸い上げる力を引き出すのが「水揚げ」の手法。お手入れの基本になるので、ここだけは押さえておきましょう。花を買ってきたり、古い切り口を新しくするときには、ためた水の中につけて茎を斜めにカットします。これを「水切り」と言います。ポイントは「ためた水の中で行う」こと。これは、浸透圧を使って茎の中に水を入れるためです。流水では効果がないので、くれぐれも蛇口の水にあてながら切らないようにしてくださいね。水切りをしたら、さらに15cmくらいの深さの水に1時間ほどつけておきます。これを「深水」といいます。「水切り」と「深水」を合わせると、ほとんどの花はしっかりと「水揚げ」ができます。

 

◆水替えのときは「雑菌をのぞく」つもりで、茎も花瓶も洗う

水替えは、水が清潔であれば毎日でなくても構いませんが、梅雨時や夏場は一日で水が悪くなりますし、花の種類によっては雑菌が繁殖しやすいものもあります(特にガーベラなど)。花瓶の水を見て、色が変わっていたり濁っていると感じたら、すぐに水替えをしましょう。水替えは、水を清潔な状態に保つことが目的。そのため、茎がぬめってる場合は茎も洗ったり、場合によっては切ってしまいます。花瓶も同様に、雑菌を残さないように洗いましょう。「水を替える」のではなく、「水を清潔にする」のが目的と心得て。

 

◆初心者は、水や切り口の様子が見やすいガラスの花瓶を

切り花に慣れていないビギナーさんや、水の様子を見て水替えをしたい人は、水がよく見えるガラス製のフラワーベースを使いましょう。水が見えない陶器や金属製の花瓶だと、ついつい「忘れちゃった!」となりがちです。どうしてもこまめに水替えができない・・・という人は、殺菌剤を含んだフラワーフード(鮮度保持剤)を使う手もあります。いずれにしろ、「花ではなく、まず水の状態を見る」という習慣を身につけて。

手入れをすれば花は長持ちする、とわかれば、お手入れも楽しくなってきます。「毎日、水替えする」と機械的に覚えてしまうと、ほかのポイントを見逃しがちなので、「花が水を吸い上げるために、どんな手入れが必要なのか」を意識して。ポイントは、「水を清潔に保ち、切り口をいつも新鮮にしておくこと」です。