住宅ローンの「事前審査」と「本審査」の違いとは? 失敗しないためのポイント

住宅を購入する際、多くの人が利用する「住宅ローン」。そのローンを利用するためには、「事前審査」と「本審査」という2段階の審査を通過する必要があります。しかし、この2つの審査には明確な違いがあり、事前審査に通ったからといって安心できない場合もあります。今回は、住宅ローンの事前審査と本審査の違いを詳しく解説し、どのような点に注意すべきかについてお伝えします。


1. 「事前審査(仮審査)」とは?

事前審査、または仮審査と呼ばれるものは、住宅ローンの申し込み前に「借り入れ可能な金額」や「借り入れの可否」を簡単に確認するための審査です。この段階では、申込者の収入や勤務先、借入希望額などの基本的な情報をもとに、銀行がローンを貸し出せるかどうかを判断します。

  • 提出する書類: 収入証明書(源泉徴収票や確定申告書)、本人確認書類など。
  • 審査基準: 基本的な収入の状況や、現在の借り入れ状況、年齢などを簡易的に判断します。

事前審査のメリットは、比較的短時間で結果が出る点にあります。通常、数日から1週間程度で結果が通知されるため、物件購入を検討している段階での参考になります。

  • 事前審査の目的: 購入希望者が、どのくらいの金額のローンが借りられるかを確認し、購入可能な物件価格の目安を把握するため。

2. 「本審査」とは?

事前審査を通過した後に行われるのが「本審査」です。本審査では、事前審査よりも詳細な情報をもとに、銀行が最終的にローンを貸し出すかどうかを決定します。この段階では、申込者の信用力や物件の担保価値も含めて、より厳密に審査が行われます。

  • 提出する書類: 収入証明書、本人確認書類に加えて、物件の売買契約書、源泉徴収票、住民票、印鑑証明書、銀行の取引明細書など。
  • 審査基準: 収入の安定性や勤務先の規模・業績、過去の借り入れ状況や信用情報機関のデータ、物件の担保価値、その他の返済負担など多岐にわたります。

本審査は、申込者個人の信用だけでなく、購入しようとしている物件の価値も審査の対象になります。たとえば、物件が銀行の基準に合わないと、ローンが承認されない場合もあります。

  • 本審査の目的: 申込者が確実に返済できるかどうか、また物件に担保としての価値があるかを確認するため。

3. 事前審査と本審査の主な違い

項目 事前審査 本審査
審査内容 基本的な収入や借入状況を確認 詳細な収入、信用、物件の価値を確認
提出書類 簡易な収入証明書など 収入証明書、物件の書類、信用情報
審査基準 簡易的な信用判断 信用力や物件の担保価値まで詳細に審査
結果までの時間 数日〜1週間 2週間〜1ヶ月程度
通過後の状況 借り入れ可能額の目安がわかる ローンの正式な承認

事前審査では、「おおよそこの金額でローンを組める」という判断が出ますが、本審査で改めて詳細が確認されます。そのため、事前審査が通っても、本審査で落ちることがあるので注意が必要です。


4. 本審査に通るためのポイント

  1. 信用情報をしっかり確認

    • 信用情報機関に登録されている過去の借入やクレジットカードの返済履歴は、銀行の審査に大きな影響を与えます。過去に延滞や未払いがある場合、審査に影響が出ることも。事前に自分の信用情報を確認しておくと安心です。
  2. 収入と支出のバランスを見直す

    • ローンを組む際、年収に対してどれだけの返済負担がかかるかが重要視されます。無理のない返済計画を立て、年収に対して適正なローン金額を設定しましょう。
  3. 物件選びにも注意

    • 本審査では物件自体の担保価値も確認されます。過去にトラブルのある物件や、将来的に価値が落ちやすい場所にある物件は、銀行の基準に合わない場合があるので注意が必要です。

まとめ

住宅ローンの「事前審査」と「本審査」にはそれぞれ役割や目的が異なります。事前審査はあくまで仮の判断であり、最終的には本審査でしっかりとした判断が下されます。事前審査に通過しても油断せず、本審査に向けて必要な書類や自分の信用情報、物件の状態を整えておくことが大切です。事前準備をしっかり行うことで、スムーズに住宅ローンを通し、理想のマイホームを手に入れましょう。