シューズクロークとは？特徴とメリット・デメリットを解説！

シューズクローク（シューズインクローゼット）とは

シューズクロークの種類

シューズクロークには、動線によりいくつかのタイプがあります。主なシューズクロークの種類については、以下のとおりです。

ウォークスルータイプ

ウォークスルータイプのシューズクロークは、玄関側と廊下（エントランスホール）につながる2カ所に出入口があります。帰ってきた時は、靴を履いたまま荷物をしまってクロークを通り抜け、廊下側の出入り口で靴を脱いでそのまま部屋に上がることができます。生活動線をシンプルにしたい人や、効率重視の人におすすめです。ウォークスルータイプであれば、かさばる冬のアウターなどをシューズクロークにかけておき、外出時にさっと羽織って出かけられるので便利でしょう。ただし、人が歩く通路部分には荷物を置けないので、その分の収納量は減ります。

ウォークインタイプ

ウォークインタイプは、玄関側以外の入り口が壁に囲まれていて通り抜けはできません。しかし、出入り口が1カ所しかない分だけ、収納スペースを広く取ることができます。また、ウォークスルータイプよりも少ない面積で多くの荷物を収納できる分、狭小住宅などでも取り入れやすいタイプです。ウォークスルータイプを選んだのに、実際は通り抜けせずに通常の玄関で靴を脱いでいるという声もあります。そのため、自分のライフスタイルがどちらのタイプに合っているのか考えて選びましょう。

クローゼットタイプ

クローゼットタイプは室内に備え付けられるクローゼットに近く、奥行きを広く取ってあります。折れ戸などの扉を設けてあり、中からシューズクロークの様子が見えないので、玄関をすっきりと見せることができます。

シューズクローク４つの配置パターン

シューズクロークの配置には、主に4つのパターンがあります。それぞれ、特徴は以下のとおりです。

I型

「I型」は、壁の一面が収納棚になったタイプ。通路の片側に棚があるシンプルな構造のため、シューズクロークの空間自体は長方形になる場合が多いでしょう。面積をあまりとれない玄関にも設置可能で、家族の人数が少ない家庭に特に人気の配置パターンです。
子どもと大人の身長に合わせて、それぞれの取りやすい場所に家族の靴の場所を決め、床には重いもの、ブーツなど高さのあるものを収納するとよいでしょう。

Ⅱ型

「Ⅱ型」は通路の両側に棚を設置できるので、より収納力に優れています。通路の左右に荷物を区分して置くなど、荷物も整理しやすいでしょう。例えば片方には靴を収納し、もう片方には大型の荷物を置くなど振り分けることができます。通路の両側にものを置ける「Ⅱ型」はウォークスルータイプとの相性のよい配置になり、家族の人数が多い家庭や、荷物の多い家庭にぴったりですよ。

L型

「L型」は、出入り口の正面とそこに隣接するどちらかの壁が棚になる構造です。棚が交差する角の部分の荷物が取り出しにくいというデメリットがありますが、Ⅱ型同様に収納力に優れています。ウォークスルータイプの場合、L字の短辺部分にコートなど外出用のアウターや傘などを置く場所にしておくと通り抜ける際に取り出しやすいので、ウォークスルーを上手に活用できます。

U型

入口のある壁以外の3面すべてに棚を設置したタイプ。そのため、基本的にはウォークインタイプで採用される設計です。壁の3面が収納スペースになるため、紹介した４つのタイプの中で収納力がもっとも高く、たくさんの荷物がすっきりと収納できます。

シューズクロークの扉の種類

シューズクローゼットには、出入り口に扉が付いているタイプと扉がないタイプがあります。それぞれの違いについて説明します。

クローズタイプ

シューズクロークに扉があるものが、クローズタイプと呼ばれます。来客時にシューズクローゼット内を見られないというメリットがある一方、扉を開けるためにワンアクション必要というデメリットがあります。

引き戸と開き戸がある

扉には、引き戸タイプと開き戸タイプがあります。引き戸タイプは、ドアを開け閉めするためのスペースが開き戸より必要ありません。その分、開けたままにしても、収納スペースや玄関スペースの妨げになりにくいです。ただし、戸を引き込む必要があるのでスペースと棚の配置に注意しましょう。

オープンタイプ

シューズクロークに扉のないものは、オープンタイプと呼ばれます。扉の開け閉めをせずにものを出し入れしたり、通り抜けたりできるので出入りが楽です。ただし扉がないため、来客時などにクロークの中が丸見えになってしまいます。気になる場合はロールスクリーンを設置して、来客のある日は閉じておくなどの工夫で視界を遮ることも可能です。

シューズクロークのメリット

シューズクロークが人気の理由は、さまざまなメリットがあるためです。ここからは、シューズクロークを設置するメリットについてご紹介します。

収納が増える

シューズクロークは収納専用の空間です。床から天井まで効率よく収納できる棚を設置するため、シューズボックスに比べて収納力は大幅にアップします。高さを変えられる棚にしておけば、ブーツやハイカットスニーカーなど高さに合わせて無理なく収納できます。

玄関がスッキリする

玄関は家の顔。来客からの第一印象も玄関で決まります。シューズクロークを設置することで玄関に無駄なものを置くことがなくなり、常にスッキリとしたキレイな玄関を保つことができます。

外で使うものを収納できる

シューズ以外にもレインコートや長靴などのレイングッズ、ゴルフバッグをはじめとしたスポーツ用品やアウトドアグッズなどが収納できます。いつものおでかけに必要なベビーカーや子どもの外遊びグッズも置いておけるので、さっと外出できます。また、外出時にしか着ないアウターをかけておくことで、花粉症対策にもなります。

土足のまま荷物の出し入れができる

主に外で使うものを収納するので、土足のまま荷物の出し入れができて便利です。泥や汚れが付いていてできれば家の中まで持ち込みたくないものを、靴を履いたまま収納できます。特に雨の日のお出かけの場合、濡れた荷物を玄関に置くことなく、土足エリアに置いておけるのは大きなメリットといえるでしょう。外出時の準備も楽になり、片付けの動線もスムーズになります。

シューズクロークのデメリット

メリットをご紹介してきましたが、シューズクロークには以下のようなデメリットもあります。

ほこりや砂が溜まりやすい

シューズクロークは玄関横に配置されています。そのため、ドアの開け閉めの際にほこりや砂が入りやすく、そのまま溜まりやすいでしょう。さらに、アウトドア用品やガーデニング用品に付いた土などが落ちるので、定期的な掃除が必要です。

におい・湿気がこもりやすい

シューズクロークは閉ざされた空間なので、においや湿気がこもりやすくなります。特に、扉のないタイプのシューズクロークの場合は、玄関先まで靴のにおいがすることも。そのため、除湿や消臭の心がけが必要になります。特に梅雨の時季や雨降りの日は湿気対策が重要。サーキューレーターや扇風機を回して換気したり、オフシーズンの靴に乾燥剤を入れたりするなど対策しましょう。可能であれば、設計時にシューズクロークに換気扇をつけておくと便利です。間取りによっては外の光が入りにくいこともありますので、天井照明を設置する、明かり取りの窓を備え付けるなど、採光にも注意しましょう。

広いスペースが必要

シューズクロークを設置するには、普通の玄関よりも広いスペースが必要になります。敷地が限られている場合、玄関スペースや室内が必要以上に圧迫されないように、シューズクロークの間取りや配置を考えましょう。広いシューズクロークを作っても、上手に活用しないとかえって不便になってしまう可能性があります。

シューズクロークはどのくらいの大きさが必要？

便利ではあるものの、玄関部分にある程度の面積が必要なシューズクローク。実際のところ、どれくらいの広さが必要なのでしょうか？ 家族の荷物の量はそれぞれ違うため、「○帖あれば大丈夫」などと一概にはいえません。ここでは4人家族を例にした場合のシューズクロークについて、大きさのおよその目安をご紹介します。

靴＋外で使うものを収納するなら【2帖以上】

家族4人分の靴と外で使うベビーカーやスポーツ用品などを収納するのであれば、2帖以上の広さが理想的です。2帖あれば、家族4人分の靴を収納しても、外で使うグッズなどを収納する余裕があるはずです。シーズンオフの靴は天井近くの手の届きにくい場所に収納するなど工夫して、使い勝手の良い収納を心がけましょう。

靴＋外で使うもの＋大型アイテムを収納するなら【3帖以上】

靴や外で使うグッズ以外に、ゴルフバッグやアウトドアグッズなどの大型アイテムを多数収納したり、ベビーカーを畳まずに置いたりするのであれば、3帖以上の広さがあったほうがよいでしょう。しかし面積が大きくなると、なんでもかんでも詰め込んで整理ができなくなり、不要なものが増えてしまう危険性も。そのため、荷物の量に見合った収納スペースを考えましょう。

外で使うものだけを収納するなら【1帖以上】

靴はシューズボックスに、それ以外のものはシューズクロークに分けて収納する方法もあります。靴をシューズボックスに収納するのであれば、シューズクロークは1帖程度あればよさそうです。傘や子どものおもちゃなど、外出時に頻繁に持って行くグッズ・アイテムをシューズクロークに収納するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか？ 家の入り口をすっきりさせてくれるシューズクロークにも、実はさまざまなタイプがあります。家族のライフスタイルや荷物の量にぴったり合ったものを選べば、とっても便利な設備です。ただし、上手に活用しないと、シューズクロークが単なる物置になり、汚れや湿気がたまる、使いにくい空間になってしまいます。収納を工夫して、便利なスペースにしましょう！