自宅を売りに出したけど、なかなか売れない。
売れなければ、売れない理由を見きわめないといけません。
この売れない理由については、 売却を依頼している不動産会社と相談しながら分析することになり ます。
しかし売主として、この売れない理由について、 ある程度見きわめられる知識を持っていて損はないでしょう。
まず、売れないといっても、内覧があるかないか、 2つの状況があります。
このうち「内覧がない」という場合では、 さらに2つのパターンに分かれます。
それは、依頼している不動産会社のところに、 チラシを見た見込み客やレインズのデータを見た他の不動産会社か らあなたの物件に対し、 問い合わせがあるか問い合わせがないかということです。
①問い合わせがある場合…価格が高い
問い合わせはあるが内覧がない場合は、 価格が市場と合っていない可能性が高いでしょう。
買主さんの立場に立ってみれば、その理由がわかります。
買主さんは家を買いたいと思って不動産会社を訪れます。
そして、電話や不動産会社の店頭で、 担当者に買いたい物件の詳細を伝えます。
購入の依頼を受けた不動産会社は、 お客様の希望に合いそうな物件を検索します。
レインズ等からめぼしい物件を見つけると、 売却を依頼された不動産会社に、 お客さんに紹介してよいかという問い合わせ( 業界用語ではこれを「物件確認」、略して「物確(ぶっかく)」 といいます)をした上でお客さんに紹介します。
このとき不動産会社は、買主さんの希望価格と合わなくても、 希望する地域や物件の情報があれば買主さんに紹介します。
そして、それを見た買主さんが「見たい」 といえば内覧となります。
問い合わせがあるということは、「 お客さんがいるから紹介したい) という不動産会社の意思表示です。
しかし内覧がないということは、 お客さんに資料は見せたけれど内覧まで至らなかったということで す。
もちろん間取りなどの理由もあるかもしれませんが、 価格を含め総合的に見て「高い」 と判断するから内覧しないのです。
新築マンションのチラシを見て「高い」 と思えばモデルルームにも行かないのと同じ。
この場合は、 価格の調整をすることで成約に結びつけることが可能です。
②問い合わせがない場合…需要がない
深刻なのはこちらのほうです。
売却を依頼している不動産会社に他の不動産会社から物確がないと いうことは、 その地域に興味のあるお客さんを持っている不動産会社がいない、 すなわち需要がない状況だと判断されます。
例えば、地域的に大きな家が売れない地域で、 他の家の倍くらいの大きさの家を売り出した場合や、 人口が流出している住宅地などがこれに当たります。
この場合は非常に深刻で、長期間かけて縁のある買主を待つか「 その値段なら買っておいてもいいかな」 と買主が思える価格に下げて売り出すことになります。
ここまでを整理すると、 売却を依頼している不動産会社に問い合わせがあるのであれば、 価格の調整をし、 それがないのであれば価格について根本的に考え直すということで す。
何度もいいますが、自宅を売る場合には、 まず内覧に来てもらうこと。
内覧がない限り売れません。
しかし、「内覧があってもなかなか売れない家」 というのがあります。
この場合の理由は、「内覧のない場合」とは、当然異なります。
次回は「内覧はあるが売れない場合」 の理由についてご説明します。